2007年12月02日

オフの楽しみ(長文注意)

オフの楽しみ…今更のHONDA RA-107について(妄)
今シーズン、極度の不振で終わったHRF1。
RA-107は空力の大失敗作としてある意味、記念碑的なマシンとなった。
RA-107はBAR創設以来のジェフ・ウィリスのデザインコンセプトから大幅な変更をしたと言われている。
が、果たしてそうだろうか?

※これは完成のエントリじゃありません。
出来れば図も作りたいのですが…このままとなるかも知れません
 
まず、RA106の写真を幾つか…
発表当時のRA106:
05年4月、シルバーストンテストのRA105:
 BAR歴代のマシンを全て確認する程のことはしないが、基本のデザインはフロアへ大量の気流を導入するのがメインで、その特徴はジェフがウィリアムズ在籍時からのボーダーウイング。
フロアと平行にある物で、形状は斧のようだったりフロアと一体化したり、形は変わりつつも一貫して存在している。フェラーリやマクラーレンと違って大型のバージボードは無い。
他にはリア周りのコンパクト化に依る「抜け」の追求が外観の特徴だったと思う。他の部分も、基本的にはそれに合わせた物だった。
 ジェフを更迭してRA106は途中からホイールベースを延長し、チーム初勝利を得た。
ホイールベースの延長という変更内容は、空力バランス・サスペンションのアライメント・重量バランス・トラクションセッティングなど多岐に渡る変化がある。なので、作業量は新車開発に等しいぐらいかなりの物だっただろう。が、ホイールベースの延長は基本的にダウンフォースの増加を狙った物で、空力追求の邪魔者であるフロントタイヤをボディから遠ざけるための物だったはず。作業は膨大だけれど、コンセプトの変化はなかった。

 RA107はどうだっただろうか?
RA106と比べてノーズが細く長くなり、サイドポンツーンは高さが低く、後方へ向かって急激に落ち込んでいる。
これらは、フロントからの気流の「抜け」をマシン全体で徹底した結果だろう。ダウンフォースの確保を追求した結果とも言える。
が、フロアは大型のボーダーウイングが特徴で、形状は変わりつつも利用法は変わっていなかった。
見た目は今までとは随分違っている。開発には随分時間が掛かっただろう。が、コンセプトまでは変わっていない…それが僕の見解だ。
 今シーズンの不振の原因は、主にフロントタイヤが乱す気流の影響で、コーナリングでダウンフォースが抜けてしまう、と言う物だった。ダウンフォースを補うため、ウイングを他所より重い物を使う→ストレートスピードも遅くなると言う悪循環だったのだ。
 フロアのデザインが、とにかく多くの気流を取り込む事を主眼としたデザイン=ボーダーウイング中心のデザインが仇となってしまったと想像している。タイヤの変形で気流が乱れ、乱れた気流もフロアに取り込むデザインなので、肝心のコーナーでダウンフォースが抜けてしまう…基本コンセプトの破綻だ。
 度重なる改良で、ノーズ脇やサスペンション基部などにフィンを追加して気流を調整する努力をした。効果はあっただろうが、ドラッグも増え続けただろう。

 今年の9月に行われたヘレステストでは、RA107に重大な変化が見られた。実践投入はなかったが、大きなバージボードが付いたのだ。これはフロントタイヤが乱した気流を跳ね除け、フロアへ取り込む気流を整理する物だ。基本的なボディ形状は同じなので、絶対的なダウンフォース量は減っただろうが、急にダウンフォースが抜けるような変化はなくなっただろうと思う。そして、このフロアへの気流の取り込み方の変化こそが基本コンセプトの変化と言える。
 BAR時代から続いたジェフ・ウィリスとの決別だ。

RA108へ向けて
 テストで新たな方向性を示したとは言え、絶対的なダウンフォースの不足をどう補うのか…ヒントはやはり、フェラーリやマクラーレンなど速いマシン達にあるだろう。高めのフロントバルクヘッドから垂れ下がったノーズと、フロントウイングが作り出す空間と、気流の窓口となるフロントウイング、しかも表面ではなくて裏面が肝になるだろうと思う。

 フロントウイングが複雑な形状を見せ始めたのは、歴史がある。
かつてセナが活躍した頃のマクラーレンだったと思うが、翼端板と一体化してタイヤ側面まで伸びたボーテックスジェネレーターが始まりだと思う。その後、禁止されたが、ウイング下面のバーチカルフィンやバージボードとして発展、今日に至っている。

●関連エントリ「RA107テストカーについて(妄)


posted by ビートニク at 12:15| Comment(11) | TrackBack(0) | F1など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 ビートニクさん,こんばんは!
 90年代の初めでしたか,マクラーレンMP4-6に巨大なボーテックスジェネレーターが装着されていたのが記憶に残っています。あのころからフロントウイングのフラップもバリエーションが豊かになってきましたし,空力時代の到来でしたね。
 へレステストの時は,「富士山ウイング」に目を奪われていたので,バージボードが装着されていたことに気づきませんでした。チキンウイングもなかったんですね。RA108にロス・ブラウンの影響が出るとは思いませんが,少なくともRA107までのジェフ・ウィリス路線からは脱却したマシンになるのでしょうね。で,SAF1はそのRA107を使う?うーん(−−;)ではでは!
Posted by KAZ at 2007年12月02日 14:32
今シーズンのホンダの失敗は、風洞データの較正に誤りがあったことと、ブレーキング時におけるブリヂストンタイヤの変形、それを読み違えて、車高変化に伴うダウンフォースの変化に対応できなかったことだと思います。ブレーキング時のタイヤの変形は、風洞ではなくCFD等で試されるものだと思いますしね。ブレーキング時には、かなり不安定になっていたようですね。自分も大型のバージボードを用いる方式に変更したほうがよいとは思います。現在、ボーダーウイングは少数派でしょう?確かに、今までのデータは活かせなくなるでしょうが、たとえ独自性は無くても、成功している車のアイデアを活かす事が成功への近道なのでは?ただどっかで、大型のバージボードは用いない、と言っているのを聞いたような気がするんですよね。
Posted by anno at 2007年12月02日 21:01
いやいや、いつもの事ですがビートニクさんの妄は凄いですね。普段は空力の事を意識してみていないので本当に勉強になります。ホンダがバージボードを採用していない事一つとっても、そこには奥深い理由があるのですねぇ。

RA-108がどんなスタイルになるのか、とても興味深いですね。
そして、SAF1は駄作のRA-107をどんな風に仕上げてくるのかも…orz

Posted by 考える葦 at 2007年12月02日 22:02
KAZさん、こんばんは
遅くなりました
マクラーレンなどのブリッジウィングですが、アレの一番の目的は整流だと思います。
アレを付けてしばらくしたら、ホーンウイングを止めたのがその証拠だと思います。

希望的(妄)を言えば、
SAF1はRA108のBバージョンが良いです。
栃研の開発力に頼る事になるでしょうから、開幕には間に合わず、SA07の改良バージョン
を使う、と言うパターンです!
Posted by ビートニク at 2007年12月04日 21:40
annoさん、こんばんは
ダウンフォースが欲しいのはコーナリング中ですから、基本的にブレーキングが絡みますよね。その際の空力が全く駄目なのがこのRA107だった…風洞は新しいのが出来て1年ぐらいですから、そろそろ最適化できるぐらいのタイミングだと思います。
確かに、バージボードも規制のために下端の高さが高くなっていますから、付けただけでは駄目でしょうけど、他のやり方でタイヤの乱流を制御できるのか…
サイドポンツーン以降を含め、トータルで最適化しないと駄目でしょうね。
Posted by ビートニク at 2007年12月04日 21:48
考える葦さん、こんばんは
これは全く未完成の駄文ですから…思考ゲームの一つとして楽しんでいただけたら良いかと思います。
こんなエントリを上げましたけど、空力は一部だけを取り上げてもあんまり意味がないんです。
前から後ろまで、連続性・関連性を持っている筈なんです。でも、それじゃぁ面白くないでしょう?

カスタマーが正式に認められれば、来年のSAF1はRA108の亜流で参戦すると思うんですよ。
Posted by ビートニク at 2007年12月04日 21:54
ヘレステスト始まりましたね。
Posted by anno at 2007年12月05日 05:25
ビートニクさん、言い忘れてましたが、SAF1の携帯向け公式サイトが年内で終了するようですよ。これって単に契約切れただけなんでしょうか?PC用サイトは継続のようですが。
Posted by anno at 2007年12月05日 05:47
annoさん、こんばんは
テストが始まっていますね
琢磨は今夜でしたっけ?

>SAF1の携帯向け公式サイトが年内で終了する

そうなんですか。最近覗いていないんで知りませんでした。
そんな所にもリストラが?
登録ユーザーが意外と少なかったのかな?
Posted by ビートニク at 2007年12月06日 22:49
え〜とですね、週刊オートスポーツの11月22日号に「見えた!ホンダRA108基本コンセプト」という記事があります。その中に中本さんの言葉で、「フロントバージボードはやめたいと思っている。あれはあれで効率よくダウンフォースが出せるし悪いわけじゃない。でも違うものでアプローチしていきたい」とあります。いったいどうされるのでしょうか。あっそうだ、かつてGPXを出し、今はネット上で週刊Fを出している山海堂が倒産してしまいましたね。
Posted by anno at 2007年12月07日 06:31
annoさん、こんにちは
バージボード以外の選択肢ですか。HONDAらしいと言えますね。
今回のエントリでは触れていませんが、06年から?の規制でバージボードの最低地上高も高くなっていますから、確かにバージボードが抜群に優れているとは言い切れないんです。
その他の(妄)もあるんですけど、まとめ切れていません。

山海堂が倒産ですか!?
「…プロファイル」とか言うシリーズは毎年購読していました。勿論、週刊Fは必ずでしたが…残念です。
Posted by ビートニク at 2007年12月08日 16:57
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