2007年05月18日

RA107をもう一度(妄)する

先日のF1キンダーガーテンの記事は衝撃的でした。
ホイールベースを短くするとは…それはそのままでサスペンションと空力の改良というのを予想していました。
RA107-Bへの期待を込めて、以前のエントリをもう少し掘り下げて(妄)×2してみたいと思います。
 
先ず、今まで触れたことのまとめから
1:伝統的(^^;に、タイヤが温まりにくい性格→タイヤの許容範囲の中では低めの空気圧で積極的にゴムを動かすことで発熱を図る
2:今年のブリヂストンタイヤはリアタイヤが良く動く(確か、ニック・ハイドフェルドのコメントが何処かに)
3:後退角を付けたリアサスペンションは恐らく、ストローク時など荷重が掛かった時の剛性で不利。
仮に、ストレート後のコーナー前の減速中を想定するとダウンフォースが1トン以上、更に減速G・時には横Gも…凄い負荷が掛かっていると思う。
1+2+3の要素が絡まって、リア(サスペンション+タイヤ)に計算外の動きが発生したとするとどうだろう?
ブレーキング時に不安定という症状に陥っても不思議ではないと言うか、必至とも思える…で、これが開幕時の症状。更に言えば、タイヤの変形は空力にも少なくない影響を与えるはずだ。
 フォーミュラマシンの場合、空気抵抗の多くは剥き出しのタイヤにあると言われているが、それが想定外の変形をしてしまえば風洞もCFDもあったモンじゃないだろう。
 で、問題はリアだけではない…
F1マシンのサスペンションストロークは、フロント(3p+)に対してリアが倍程度と言われている。そうなると車体の動きは、前輪を軸に回転するような動きをするとも言える。
フロントサスペンション取り付け部
イラストはフロント部分の大まかなイメージ。
前輪車軸を中心として、フロントサスペンションはフロントサス自体のストローク以外に、リアの上下の影響を受けてジオメトリ変化がある。

この時、リア(サスペンション+タイヤ)の動きが想定外の動きをしたらどうだろう?フロントにも影響が出ないはずがないのだ。
開幕戦でブリヂストンの浜島さんに指摘されたフロントサスペンションが働いていない疑惑。
(詳しくはこちらを参照…古いので、迷惑にはならないと判断しました)
これは恐らく、リアの制御不能を何とかするためにネガキャンを極端にしたのではないだろうか?

開幕を終えて、幾らか対策を施した内容は、ダウンフォースの上積みだった。
これが何を意味するのかと言えば
4:タイヤのエア圧を高めにしてリアタイヤの動き過ぎを抑制
5:圧が高くなるとグリップ不足・発熱不足になるので、ダウンフォースでとにかく押さえつける
その結果、ブレーキング時の挙動は幾分改善した→設計通りのサスの動きが出来た?その代わり、ストレート速度が犠牲になった。

そして、今後現れるかも知れないショートホイールベースバージョンについて。

●F1キンダーガーテンの記事に
"現在のマシンよりもホイールベースを若干短くし、アクスルの退後角を現在の13°から、昨年まで使用していたマシン同様の9°に戻した"
とあるが、つまり今シーズンは昨年のRA106よりロングホイールベースだったと言うのも新たな発見として覚えていても良いかも知れない。空気を乱すタイヤを、車体からなるべく遠ざける…ダウンフォース重視のマシン作りが徹底していたのだ。

●そしてショートホイールベースバージョンの肝は…
サスペンション(ストローク?)剛性を上げることで、荷重を確実にタイヤに伝える→発熱特性&メカニカルグリップの向上
結果として、計算通りの動きをコース上で再現する。これに尽きると思うのだがどうだろう?

●更に更に
本来、ホイールベースを伸ばしたのはダウンフォースの向上にあるはず。特にコーナリング中のダウンフォース獲得が目的だったと思う。その必要性は変わることがない。
であれば、サスペンションとタイヤの制御さえ上手く行くならば、ホイールベースは伸ばしたいはず。
今回のショートホイールベースは暫定バージョンだろうというのがここで一番の(妄)。

本当は、ギヤボックスケーシングを延長してサスペンションの取付基部から見直したバージョンが検討されていると思う。当然、それは細身で空力に配慮されたモノになるだろう。或いは、トヨタが昨年試みたようにエンジンにスペーサーを…
が、それを実現するには時間が足りないだろう。来年からはギヤボックスも使い回し(4戦だったか?)が必要だ。なので、ギヤボックスまで改良したバージョンはRA108に持ち越しとなるかも知れない。見た目も全く別物に見えるぐらいの違いがあるだろう。


ラベル:F1 HONDA RA107 RA107B
posted by ビートニク at 20:38| Comment(14) | TrackBack(0) | F1など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
う〜む。ビートニクさんの本領発揮ですね。(笑)

(妄)とは言えなかなか勉強になりました。特にサスペンションストロークの図は、軌跡の方程式の復習になりました。(爆)


でも、結局ロングホイールベースを諦めると、また1からやり直しですよね。特にリアサスの剛性やリアウイングのダウンフォース計算は、今までのデータが使えないわけで…。手っ取り早く今のマシンのリアサスを何とかすれば…と思うのは、素人だからでしょうねぇ…(;^_^A
Posted by 考える葦 at 2007年05月18日 22:45
ビートニクさん こんばんは

シーズン前に中本さんが...成績はともかく、改良&開発のスピードは一番になりたい...みたいなことを仰ってましたし、やれることはバンバンやればいいと思うんです。でもね、フェラーリやマクラーレンの開発スピードと、投入された新パーツの効果性の高さというか、歩留まりの良さ(?)や、素人目へのアピール度の高さ(??)に比べると、随分見劣りがしますよね。成績云々より、そこが一番不満です(笑)

序盤戦を振り返る限り、BSタイヤが予想以上に持っちゃうというか、使い切れてないチームが多い感じですよね。もう少しタイヤをゴリゴリ虐める?マシンの方が、今期は正解なのかもしれません。

...という訳で、重量配分や空力中心を後ろ寄りにする今回のホンダの改変は吉と出て欲しいものです。
Posted by kangaroo at 2007年05月19日 02:41
後退角や、上反角の付いたドライブシャフトは、高回転時にまっすぐになろうとして、大げさに言うとS字に変形しようとするそうです、F1ですからシャフトの強度は恐ろしく丈夫な物でしょうから、変形はしないでしょうが、その様な力が掛かるとすれば、正常なサス機能にもしかしたら悪影響が出る可能性も否定できないですよね、勿論計算ずくでやっているのは当然ですが、思ったより、、、なんて事もあるかも、しれませんねえ、、、13度はやりすぎだったなあ、、、みたいな、、、どうなんでしょうねえ
Posted by アルヌーは二枚目 at 2007年05月19日 02:43
考える葦さん、おはようございます
所詮は(妄)の世界ですから…外れていれば、それもそれでネタに。
ただ、タイヤ自体が良く動くという評価は本当らしいんです。
動き過ぎてしまうんでしょうね。
Posted by ビートニク at 2007年05月19日 05:59
kangarooさん、おはようございます
確かに、今年のマクラーレンは良い仕事してますよね!
多分、内部では色々とやっているんでしょう。テストでは色んなパーツを試しているようだし…ただ、カラーリングも含めて分かり難いですね。
今度のショートバージョンが吉と出ることを期待してます。
ってか、今までより悪くはならんでしょう(^_^;
Posted by ビートニク at 2007年05月19日 06:08
アルヌーは二枚目さん、おはようございます
日常生活では経験出来ないレベルの現象ですから、どんな事になっているやら…
>S字に変形しようとする
顕微鏡レベルでは何かあるかも知れませんね。
例え変形しないまでも、駆動力を伝えるのにロスがありそうですね。
エンジン内部は摩擦抵抗削減を必死にやっているのに…
さて、新バージョンがどうなるやら…
Posted by ビートニク at 2007年05月19日 06:17
こんにちは!
ドライブシャフトの口角(確か、こんな字だったかな?)による不具合は、角度の復元力(ユニバーサルジョイントのフリクションによって発生らしい)で震動が発生すると聞いた事があります。
これは、レーシングカーだから発生する訳ではなく、普通の乗用車でもでます。
大体は、開発段階で修正出来るのですが。。。
よく、ドライブトレーンで音がするという場合の半分くらいがそれですね。
ほとんどは、大型のトラックですが(笑)
ただ、真っ直ぐにしてもダメらしく、多少は角度が必要とも聞いていました。
今回の修正で、どこまで改善出来るでしょうね?
Posted by 木公田土@携帯 at 2007年05月19日 13:34
想定外のタイヤの変形・・・同じくミシュランから変わったルノーも不調でしたよね。そこで思ったんですが、ブリヂストンとミシュランでは形状の違いもあるでしょうが、構造上の違いで剛性も大きく異なっているのではないでしょうか?ブレーキング時の挙動。ミシュランと違ってブリヂストンは、ブレーキング時に大きく変形する。そのあたりが設計時に十分に盛り込まれていなかった。それが想定外ということになっているのだと思います。去年のアロンソのあのドライビングはかなり剛性の高いタイヤによって可能であったのではないでしょうか。
Posted by anno at 2007年05月19日 14:40
木公田土@携帯さん、こんにちは
きっと、割合にすれば僅かだと思うんです。
空力にしてもほんの数%の違いを争っている世界でしょうから、僅かな問題が大きな結果に繋がっていると思うんです。
改良されると良いですけど…
Posted by ビートニク at 2007年05月19日 17:56
annoさん、こんにちは
想像ですけど、ミシュラン&昨年と比較して構造が柔らかめ、ゴムは固めというのが今のブリヂストンの特徴だと思います。
マッチすればロングランも大丈夫…どのレンジのタイヤも、そんな性格だと思うんです。
シーズン前のテストでドライビングを変えるとか、そんなコメントが幾つかありましたよね。
Posted by ビートニク at 2007年05月19日 18:01
HRF1公式サイト掲載の地球色のスタディオフォト
こちらの後退角は判読で9度になっていますね

その後の開発で13度が試されていた

即ち 今回はシェイクダウン時に戻した ということで
この経緯は 極めて不可解ですね

ちなみに RA106の初期型はスタディオフォトの判読で5.5度
ドイツGPから9度 同時にフロントも前へ移動しハンガロリンクへ繋ぐ

SA07のモノコックのサスマウントポイント等のデータは2006年のデータとしてSAFのほうに伝達済(けんさわ)とのレポートも考え合わせると
モノコックは既にモジュラー化されて 両チームの車輌で同じパーツが取り付くようになっちゃってる模様

であるとすると
フロントを前に出している分 RAの方がまだその分ホイールベースが長いと

SA07のフロントサスのシェイプは優勝車の仕様に近似して見えます

http://img.wazamono.jp/car/src/1179499855208.jpg
Posted by ケィ at 2007年05月19日 21:36
ケィさん、こんばんは
確か、青山に展示してあるのが昨年のマシン(或いはカラス)に地球のカラーリングをしたヤツなんだと思うんです。
もしかして撮影はこれが使われたのかも知れませんよ。
 ホイールベースの伸ばし方がそう言う方法だったとは…本当にやったら、モノコックも変える別マシンになるほどの変更ですもんね。
 然も、フロントもですか!
写真は判りやすくて良いですね!
有り難うございました。
Posted by ビートニク at 2007年05月19日 22:10
青山展示車説って どうなんでしょうか
地球色車輌発表会のフォトに前後して 多数のフォトが公開されていますが
スタジオのものと発表会のものとの間に別々のものであることを指し示すような兆候は 何等発見できないでいますが

ところで これって 以前から ありました?http://www.hondaracingf1.com/en/index.php?section=108&racecat=&searchitem=&page=5&year=2003&unbranded=&transparency=
Posted by ケィ at 2007年05月20日 14:30
ケィさん、こんばんは
青山の展示車両は直接見たことはありませんから、殆ど当てずっぽうなんです(^^;

教えて下さったCFDのイメージは知りませんでした。今は用無しのデータってことなんでしょうね。でも、僕にとっては面白いです!
ボディの外側を流れるデータの表示が無いのは意図があるんでしょうね。
005当時のモノなら今より完成度は低いでしょうから、実際との違いもあるかも知れませんね。
Posted by ビートニク at 2007年05月20日 21:09
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